「来年からどうすればいいのか・・」
コロナ初年度となった2020年。
残暑が残る9月。とある佐賀の酒蔵に行った時のこと。
その時に見た在庫の数々、コロナによって減少した売上、その時に聞いた蔵元さんの心情。
全てが衝撃的で、心の底からどうにかしないといけない。
直感的にそう感じました。
目次
【初めまして】ハンズオンローカルSAKEまっすーです。
ハンズオンローカルSAKEの運営代表
まっすー
みなさん、初めまして。
ハンズオンローカルSAKEの運営代表 まっすーと申します。
ハンズオンローカルSAKEは、この日本酒特化型クラファンサービスの他に、日本酒に関係する様々なサービスを提供しています。
この記事では、僕たちがなぜ【ハンズオンローカルSAKE】を立ち上げることになったのか、今後のビジョンはどう考えているのかを中心に、自分の考えを反芻する意味でもブログ形式で書いています。
もしよければ最後までお付き合いください。
そもそもなぜ起業しようと思ったのか
人生が変わったオーストラリア留学 | 「Just be yourself.」
元々僕は普通高校を中退し、通信制高校から一念発起してなんとか大学まで受かったものの、思い描いていた大学の理想像と現実のギャップに落胆し、1年生の半期を終える頃には「留年は確定的でしょうね」と言われる程のいわゆる劣等生でした。
19歳に差し掛かった時にこのまま大人になることの恐怖を感じた僕は、大学2年を終えた後にオーストラリア留学へ。
そして、その時にオーストラリアの女性から言われた「Just be yourself.」(あなたらしく生きたら?)という言葉で人生が一変。
それからというもの、福岡に帰ってきた僕は、自身のオーストラリア留学での経験から、「全く異なる価値観を持つ人達をつなげ、人生が変わる出逢いを創る」ということをミッションに、大学4年生だった2015年10月に開業しました。
インバウンドプロモーション事業の会社を立ち上げる
そのミッションをやり遂げるために、事業内容として選んだのは「食の福岡」の魅力をインバウンドの方々に伝え、外国人と地元民を繋ぐといういわゆるインバウンドプロモーション事業でした。
また僕たちは、外国人観光客の中でもリピーター観光客に焦点を絞り、外国人リピーター向けのフリーペーパー作成やブロガー、YouTuberとのコラボ事業などで事業を発展させていっていました。
新型コロナウィルスにより事業全停止
ところが、2020年になって新型コロナウィルスの影響でインバウンド観光客はパッタリ。
僕たちの事業は事実上、全停止することになりました。
今まで5年間かけてようやく事業を作り上げて、なんとか借入も返しながら、仲間も増やしていた矢先の出来事で、僕の頭の中は真っ白になりました。
そんな時に出会った佐賀の酒蔵
そんな中出会ったのが冒頭に話をした佐賀の酒蔵さん。
その時に聞いたコロナによる当時の売上減少幅や、蔵の中に大量に残っている在庫を見たときのショックは物凄いものでした。
「来年以降どうしたらいいのか・・」
そんな声を漏らす酒蔵の方に対して、お答えする言葉がありませんでした。
また僕もちょうど同じような境遇であったので、勝手に思いがシンクロした気がして、
「絶対に僕達にできることがあるはずだ。僕達が生きる道はここにある。」
そう確信しました。
一ヶ月に3社廃業する日本酒業界の現状
それからというもの日本酒について調べていて気づいた衝撃的な事実は、最盛期には4,000以上もあった酒蔵が、2016年には1,400蔵、そして2022年の現在では1,200程度に減少しているということです。
これを一ヶ月あたりに換算すると、なんと一ヶ月に3社もの酒蔵が廃業に追い込まれていることになります。。
一ヶ月に3社と聞くと事の重大さがわかるのではないでしょうか。
「つくり手」と「飲み手」をダイレクトに繋ぎ、想いを繋ぐ
その日本酒業界の現状を変えるためにどうすればいいのかずっと考え続け、見出した一つの答えは、
「つくり手」と「飲み手」をダイレクトに繋ごうということでした。
というのも、出会った酒蔵さん達と話していて気づいたことは、こんなにも情熱を傾けて、まさしく人生をかけてつくっているのにも関わらず、その想いは全くもって届いていないということです。
だから、まず僕らがやるべきはつくり手さんの想いやお酒造りの裏にある苦悩を、なるべく純度高く飲み手である消費者の方々に伝えることだと考えたのです。
2020年12月から【オンライン酒蔵留学®︎】開始
そして、まずはじめに考案したのが、『オンライン酒蔵留学』。
2020年12月から始めたこのサービスは、「おうちにいながらも地方の酒蔵の社長さん、杜氏さん達と直接乾杯できるサービス」として、デビューさせました。
【リアル酒蔵留学®︎】で日本酒のイメージを刷新
そして、オンラインの次に始めたのがこのリアル酒蔵留学です。
リアル酒蔵留学とは、実際に酒蔵で本気のお酒造りを体験して、自ら造りに携わった「搾りたてのお酒」が届く”超短期型蔵人体験”です。
この日本酒業界の現状を変えるためには、まずは日本酒のイメージ刷新と日本酒業界の現状を「自分事化」してもらえる人を増やすことだと考えています。
そのために蔵人さん達の本気のお酒造りを体験してもらう必要がある。
そう考え、各社に交渉して回っていました。
難航する交渉。前例なき戦い。
しかしながら、実現に向けての道はなかなか険しいものでした。
なにせ前例がないのです。
酒蔵さんからすると、お酒造り期間中に外部の方を入れるというのは今まで行ったことがありません。
それは、微生物を扱うという日本酒特有の仕事柄、お酒造り期間中は細心の注意を払わなくてはいけないからです。
ですが、僕は諦めたくなかったので、一蔵ずつ交渉を続けました。
2022年1月にようやく実現!大反響!
交渉を続けた末に2022年1月にようやく実現することができました!
TVやじゃらん酒旅BOOKなどの雑誌にも取り上げていただいたお陰もあって、1月から4月にかけて全部で9回、35名の参加者の方にリアル酒蔵留学を経験してもらうことができました。
結果としては、女性比率5割超えで、日本酒をあんまり飲まないという人もかなりの割合で参加されていたことはとても嬉しい予想外の結果でした!
参加者の方からの感想で
「日本酒や蔵人さん達に対するイメージがいい意味で大きく変わった」
「これからは一滴一滴大切に飲ませていただきたいと思いました。」
などと次々ととても嬉しいご感想をいただき、日本酒業界を変える一手としてこれは絶対にいける!そう感じました。
日本酒特化型クラファンサービス『SAKEクラファン』を開始
リアル酒蔵留学で少しサービスの手応えを感じて以来、もっと単純にお酒造りに参加するだけではなくて、本質的にお酒造りのことを自分事として捉えてもらえる方法はないだろうかと探っていった結果、たどり着いたのが、日本酒特化型サービス『SAKEクラファン』です。
俺達のSAKEプロジェクト
単なるクラファンサービスとは異なり、各プロジェクトに出資した人が日本酒タンクオーナーになれるというコンセプトです。
タンク毎に1つの株式会社のようなチームを作るというイメージで、各出資者は出資比率に応じて持酒株を所有します。
オーナーには様々な特権が与えられ、オーナーのみの出資者会議に参加して、お酒の原材料、処理方法などを選ぶ議決権を持てたり、実際にお酒造りやプレミアム酒蔵イベントなどに参加することができます。
出来上がったお酒はオンライン通販サイトやふるさと納税などで販売され、最終的には各出資者の持酒株比率に応じて、売上を分配します。
そうまさに日本酒タンクオーナーとして、今までにない究極の日本酒オーナーシップを持てるサービスなのです。
まさに”ハンズオン”ローカルSAKE
僕がハンズオンローカルSAKEという一見聞きなれない、そして長ったらしい名前にしたのは実はぼんやりとこのイメージを描いていたからです。
ハンズオンとは投資用語でもあり、通常は投資ファンドなどの出資者が投資先の企業の経営に直接関わることを意味する際に使用されます。
出資者自らがその会社にハンズオンすることで、当事者意識を持って、その会社の経営に携わることができます。
まさにこのイメージで、日本酒造りに各出資者がハンズオンすれば、きっと日本酒造りをもっと身近にもっと自分事化して考えてもらえるようになると思ったのです。
みんなが日本酒のことを自分事として考えていけばきっと日本酒業界は変わるはずだと信じています。
日本酒を通して人生が変わる出逢いを創る
最後に・・
僕は『日本酒は世界最高の人と人とのご縁を繋ぐツール』だと思っています。
『和醸良酒』:和を醸す良いお酒。
という言葉があるように、日本酒を通して全ての人が心から繋がり、今日の一杯を共に飲んだ人たちの人生が変わるようなサービスを創って行きたいと思っています。
実際にこのサービスを始めてから、出逢いの数と質は圧倒的に変わりました!
「日本酒が好き!」 それだけで全国の方と繋がり、全国各地にいくことが楽しくなる♪
これは紛れもない日本酒が持つ価値だと思っています。
長くなりましたが、この記事をご覧いただいた方は、是非一度リアル酒蔵留学行ってみてください!絶対に損はしないと思います!
元々お酒が弱い僕がこの日本酒業界に携わり始めたのはご縁としか言いようがありません。
ですが、僕が携わったからには何かしらの変化をこの業界に起こしたいと思います。
まだまだ始めたばかりのサービスで未熟者ですが、どうぞよろしくお願いします!